3回目?4回目?くらいになると思いますが、やはりこういう事象が発生してしまっています。
普通に考えると竣工検査をするとか、定期点検などで発見されそうなものですが・・・
実際に点検をしていても開放電圧測定だけで「あれ?」となるはずですが、そうならないというかスルーしてしまっているのか、正常と判定されている場合がそれなりの数で存在しているということでしょう。
今回は高圧の集中型PCSだったのですが、14直列で全てのストリングが構成されている予定です。
だけど、特定の接続箱の3回路のみ12直列になっているのです。14枚と12枚一体なにがどう問題なのか。
・点検時に動作電流値を測定していますが、こういった場合「0A」を指すことが多いです。0Aですから電流が0ということで電気が流れていないということなのでしょう。発電していても電気が流れないのは意味がありません。
・なぜ0Aになっているのか。おおまかに考えますと他の接続は500V程度で、枚数が少ないストリングが440Vくらい。この電位差で500V方向から440V方向へ逆流するような力が働いているというイメージでしょうか。
・直列接続された太陽電池は接続枚数を揃える必要がある→電圧を揃える必要がある→大きな電圧の差は電気の流れに悪影響がある。ということでしょう。
では、こういう場合にどう対処すべきでしょうか。
これはずばり
接続枚数を合わせる!
これに尽きるのかと思います。
今回の場合、他のストリングは14直列ですので12×3ストリングの構成を14×2+8という形にして8枚を切り離す!又は6枚追加できるなら追加して14×3ストリングの形に持っていくということでしょう。
実際に3回路のうち2回路を14直列、残りを8直列にして接続し直し8直列は開放した状態にしました。2回路はしっかり流れていますので、元の「0A」よりは正常に近づいたと考えられます。
しかし、思うのはやはり「なぜこの状態で発電所が作られているのか」ということです。そして「なぜ今までこの状態に気づかないのか!」ということ。理解できない事象の一つです。
低圧発電所の事業主のみなさんの場合
みなさまにお願いしたいのは、やはり定期的な点検を実施していただきたいということ。
施工業者も千差万別。
ちゃんとしているところもあれば、適当なところもあります。
目視点検をされてる事業主様、PCSの動作確認もやってるよという事業主様、さらに踏み込んで
「開放電圧測定」もやってみてほしいです。
95%以上の確率で「正常」だと思いますが、中には「あれれ?」となる場合もあると思います。
測定は簡単。テスター500Vくらい測れれば大丈夫。安いものでOKです。実際私もamazonで1500円くらいのテスターを買って使っています。。。しっかりしたメーカーの誤差の少ないものを使わなくても348Vが350Vと表示されていても問題ないです。
PCSを開けて、ストリングが接続されているスイッチをOFFにして+と-に当てるだけです。
テスターには「何を測定するか」を選択できるところがあります。直流の電圧です。
Vと直線です。交流電圧はVと波線(~)で表示されています。
分散型PCSがほとんどですからPCS毎に各ストリングが同じような電圧値になっているか?を見てください。
例えばPCS1番の4回路は各350V、PCS2番の4回路は各310V、こういうのはOK
PCS4回路の中で
350V、350V、310V、390Vとこんな状態だと問題です。
これくらいなら結構簡単に計測できますし、もしも発見したら太陽光パネルを繋いでいる線を辿って何枚接続されているかを確認してください。上記の場合、310Vが1枚少なく390Vが1枚多いでしょうから接続し直せばOK。MC4コネクタも外すのは難しくありません。
冬の間は雑草もおとなしいので、是非点検をしてみましょう!
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